富岡蔵
民間と連携して進めている「鍛冶町のまちなか蔵と道路空間の創造的運営管理事業」の一環として、古くからある蔵を活かした街づくりプロジェクトの一つが、富岡蔵の再利用でした。
富岡蔵は、明治39年に建てられた土蔵造りの見世で、現在の場所より約70m東(丸満さんの隣)にあったものを移設しました。
この移設は、「曳家(ひきや)」と呼ばれる建築物をそのままの状態で移動するという大掛かりな方法が用いられ、基礎より建物(蔵)を持ち上げ、レールの上に乗せてゆっくりと時間をかけて移動しました。
そのために、一時的に道路を通行止めにし、ゆっくりと重機で引かれ、道路の真ん中を黒く重厚な蔵が移動する様は注目を集め、多くの人が見学に訪れ、話題になりました。
建物は、曳家をすると新築の扱いとなるので、現行法規に適応する改修を施しましたが、歴史的価値のある古い建物であるため、その改修は可能な限り、伝統的な工法で行われました。
移設前に富岡蔵の前あった、今ではあまり見ることのない、円柱状タイプの郵便ポストも一緒に移設され、黒い蔵との鮮やかなコントラストが近くを通る多くの人の目も楽しませてくれています。
【住 所】茨城県古河市本町1-3-40